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平成17年7月号  



市場事務所便り

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社会保険労務士 市場 敬將
 
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クリント・イーストウッド
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 自ら製作・監督・音楽・助演をした映画『ミリオンダラー・ベイビー』で、クリント・イーストウッドは最高齢でアカデミー監督賞を受賞しました(受賞当時74歳)。彼はこの映画の中で、主人公である31歳の女性ボクサーを育てるボクシング・ジムの老トレーナー役を演じています。その役を通じて彼が見せる表情や仕草、加えて見事にシェイプアップされた身体は、年を取ることがすなわち衰えることではないことを示しています。体と知性を鍛え続けることで、老いさえも味方にすることができるのかもしれません。
 いきいきとした老後を過ごすために、次に挙げる介護予防を心掛けてはいかがでしょうか。

(1) 人々とできるだけ多くの会話をする
(2) 自分でできることは何でも自分でする
(3) 自分自身のこれまでを自分でほめる
(4) 自分に合った出番を自分でつくる
(5) 周囲の人々や小さな出来事に感謝する
(6) 後継者に引き継がせたい大切なものをもつ
(7) 生きがいは状況により早めに切り替える
(8) からだが硬くなりがちでも心は柔らかにする
(9) 心細くなったときは誰かに甘える
(10) 病気・ケガに先回りして健康に気をつける

 これらはハリウッドの名優でなくても、実践できることです。平凡で当たり前のことばかりですが、そういったことほど続けるのは意外に難しいことなのです。常に死を意識しながら生きる、あるいは死という到達点から逆算して生きるという「念死」(メメント・モリ)という思想が、職業人生を充実させるのではないでしょうか。


労働基準監督署の監督指導

 労働基準監督官が事業場に立入調査をすることを「臨検」といいます。労働基準法第101条では、労働基準監督官が事業場等に臨検を行い、帳簿や書類の提出を求め、または使用者や従業員に対して尋問を行う権限をもつことが定められています。
 臨検には、(1)定期監督、(2)申告監督、(3)再監督の3種類があります。
(1)の定期監督とは、労働基準監督署が計画を定め、その定期的な計画に基づく監督です。(2)の申告監督とは、労働基準監督署に対し、従業員等から法令違反の申告があった場合に実施されるものです。(3)の再監督とは、定期監督等のその後の実施状況を確認するためのものです。最近増加しているのは、(2)の申告監督です。
 ところで、労働基準法第102条は刑罰法規であり、ここでは労働基準監督官は司法警察官の職務を行うことが定められています。ですから、労働基準監督官の監督指導に従わない悪質な場合は、送検・起訴に及ぶことも可能なのです。
 ちなみに、労働安全衛生法関係の臨検は予告なしの抜き打ちが多いのに対し、労働基準法関係は、帳簿の確認や聞き取りが必要なために大抵予告があります。
 臨検で問題があった場合は、「是正勧告書」か「指導票」が交付されます。是正報告書には、法令違反事項と是正期日が記載されており、期日までに是正して、是正報告書を提出しなければなりません。一方の指導票は、法令違反ではないが労務管理や労働安全衛生法上改善すべき点があると判断された場合に交付されます。これも期日までに報告しなければなりません。
 是正監督・指導を無視する場合や虚偽の報告をする場合は、改善の意思がない悪質な事業主と判断されて、送検されることもあります。労働基準監督官の監督・指導は、真摯に受け止めるべきでしょう。
 
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年間売上3億円・従業員30人未満

 日本では1980年代以降、30代、40代の自営業者数は急減しています。かつては自営業者にも、経験や知識の蓄積によって年齢を積むことで収入が高まる年功的な状況が存在していました。しかし、1990年代以降、収入の年功度は弱まり、それは商人・職人等の自営業世帯で顕著なものとなりました。特に40代を中心に所得は大きく低下しています。
 関西大学の調査によると、自営業者に限らず東大阪市内の中小零細製造業においても、48%の企業が「後継者がいない」と回答しています。従業員10人未満の企業においては、85%もの企業に後継者がいません。3年前と現在の企業業績を比較すると、68%もの企業が減収減益と回答しています。
 この2〜3年間、設備投資をしていない企業の割合は73%であり、後継者がいない企業では、86%もの企業が設備投資をしていません。設備投資は企業が業界あるいは地域において競争力を維持し続けるために必要です。設備投資は、いわば企業の生存コストです。設備投資をしないということは、企業が生き残る意思を失ったことを意味します。
 規模が小さい、あるいは売上高の低い企業ほど、設備投資のための資金調達が困難になっています。実際、売上高3億円・従業員30人未満のところでは、設備投資を行う率が激減しています。
 年間売上高3億円強、営業利益率3.6%、年間の減価償却費1,600万円程度のある企業で、前期、営業利益に減価償却費を加えた広義のキャッシュフローが2,800万円、金融機関への返済額が年間2,000万円程度だったとします。手元には800万〜1,000万円程度の資金が残ったことになります。これが、設備投資のための資金となるわけです。
 製造業で年間売上が3億円を切った場合、設備の高度化・高額化と企業財務の健全化などの面で、新規の設備投資をするのは困難になります。製造業で年間売上高が3億円の企業の平均従業員数は30人です。売上高3億円・従業員30人未満の町工場が、生存のためのコストを賄えなくなっています。
 自営業者の減少に続き、売上高3億円・従業員30人未満の企業も減少していけば、日本の産業基盤が失われてしまうかもしれません。
 
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個別労働紛争処理制度の利用が増加

 個別労働紛争解決制度は、平成13年10月施行から約3年半を経過しましたが、制度の利用が着実に増加しています。

 ◆相談受付状況
労働に関するあらゆる相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナー(全国で約300ヵ所)に平成16年度に寄せられた相談は82万件超で、そのうち解雇、労働条件の引き下げ等、民事上の個別労働紛争に関するものが16万件を超えています。
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 また、民事上の個別労働紛争に係る相談内容の内訳は、解雇に関するものが最も多く27.1%、労働条件の引き下げが16.0%、いじめ・嫌がらせが8.1%となっています。

 ◆都道府県労働局長による助言・指導
助言・指導の申出の主な内容は、解雇に関するものが31.3%、労働条件の引き下げが14.7%、いじめ・嫌がらせが7.41%となっており、申出された方は、労働者が95.1%と大半ですが、事業主からの申出もあります。(4.9%)
 就労状況は正社員が61.3%と最も多く、ついでパート・アルバイトの19.9%、派遣・契約社員も12.5%を占めています。
 事業所の規模は、10〜49人が31.9%と最も多く、ついで10人未満24.0%、100〜299人が13.1%となっています。

 ◆紛争調整委員会によるあっせん
あっせん申請の主な内容は、解雇に関するものが40.5%、労働条件の引き下げが13.0%、いじめ・嫌がらせが8.1%と続いています。
 申請された方は、労働者が98.1%、事業主からの申請が1.9%、また労使双方からの申請もありました。(0.1%)
 就労状況は正社員が62.8%、パート・アルバイトが19.1%、派遣・契約社員が13.0%を占めています。
 事業所の規模は、10〜49人が34.4%と最も多く、ついで10人未満が21.8%、50〜99人が10.7%となっています。

今月のことば
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 明治十八年(1885)だったか、日本陸軍は、参謀将校の養成のために、ドイツからメッケルという少佐をよんだ。メッケルはモルトケの愛弟子で単に作戦家といだけでなく、野戦攻城の経験もあり、いかにも軍人らしい軍人だったが、その生活についての要求はうるさかった。日本側はその要求をすべてうけ入れ、この独身者のために三宅坂の参謀本部の構内に赤レンガ造りの家屋も建てた。日光へ陸軍大学校の学生をつれて参謀旅行(当時の造語)へゆくというとき、その旅支度が大変であった。かれのためのストーヴを人夫にはこばせ、行くさきざきの宿屋は、天井にメバリを貼らせ、雨戸の内側には毛布を吊らせた。日本側の高官たちも同じ宿にとまったが、黄色人種はよほど丈夫にできているのか、上ぶとんを一枚かさねるだけで夜をすごした。
 こういうことを考えると、ふと、(白人というのは、自然環境への適応力がとぼしいため、ということは体が弱いためにあれだけの文明を興したのではないか)ということを思ったりする。逆にいうと、黄色人種は丈夫なためについ安直な生活文化しか育てえなかったのではないか、と思ったりするのである。

                   司馬遼太郎『歴史の中の日本』
                   「日本人の安直さ」 より抜粋


〜当事務所よりひとこと〜

 雨の日ばかりが続いていますが、皆様はいかがお過ごしですか?
 休みの日、我が家では外食する事がよくあります。そんな時、子供(4歳)が選ぶのは、ファミリーレストランの「COCOS」。
 「COCOS」はドラえもんのキャラクターで売っているレス
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トランですが、ドラえもんより、来店時に貸しもらえる色鉛筆と塗り絵が目的のようです。おもちゃをくれる店はたくさんあっても、色鉛筆を貸してくれる店はここだけです。子供は子供なりに、ちゃんと店をくらべて選んでいるのです。
 ファミリーレストランの子供用のメニューはどこも同じ。ハンバーグとエビフライがのっているお子様ランチと、スパゲッティやラーメンの子供サイズが子供メニューの定番ですが、子供はあまり喜びません。結局、普通のメニューから子供が食べたいものを頼んで、私と子供で半分ことなるので、大抵の場合、私は自分の食べたいものを食べることができません。大人と同じメニューで量だけ少なくしてくれるサービスがあったら、私は迷わずその店を選ぶと思います。
 レストランに限らず、商売においてはいかに競争を勝ち抜くか…。ヒントは意外と身近なところにあるのかもしれないなと感じました。
                        (市村)
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