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平成17年10月号  



市場事務所便り

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社会保険労務士 市場 敬將
 
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改正不正競争防止法が施行されます

 11月に改正不正競争防止法が施行されます。施行されると退職者による「営業秘密」の漏洩が刑事罰の対象となりますが、会社が社員と「営業秘密」の保持契約を結ぶ際、契約があいまいだと抑止効果が小さくなるだけでなく、社員が契約違反を恐れて転職しにくくなる恐れもあるため、経済産業省は「営業秘密管理指針」で営業秘密の管理のあり方を規定しています。


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「営業秘密」とは
不正競争防止法の「営業秘密」とは、
 (1)秘密として管理されている
 (2)事業活動に有用な技術上または営業上の情報である
 (3)公然と知られていない
の条件を満たしているものと定義されています。
 会社が社員と営業秘密の保持契約を結ぶ場合、他社に漏らすことを禁じる情報を具体的に社員に示し、秘密とする期間も「退職後5年間」という形で明確
にする必要があります。

秘密管理に必要な体制整備
 (1)営業秘密を管理するための社内規定を整備
 (2)規定に基づく手続きなどについての責任者をおく
 (3)研修などで不正競争防止法を社員に周知
 (4)社員が法令について相談できる社内窓口の設置
 (5)社内・社外からの監査を実施
 (6)営業秘密の漏洩に関する懲戒処分など、秘密が漏れてしまった
    場合の体制整備

新たに処罰の対象となる行為
 日本国内で管理されている営業秘密が処罰の対象となり、営業秘密を持ち出すことを前提に他社に転職したり、実際に営業秘密を漏らしたりした場合、刑事罰の対象となります。また、法人も処罰の対象になる制度が導入され、自社の社員が他社の営業秘密を不正に入手して使用するような場合、社員の管理について過失認定されると最大1億5千万円の罰金刑が課されます。


大平洋ひとりぼっち
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 今年6月、66歳の堀江謙一さんが単独ヨット無寄港世界一周に成功しましたが、ほとんど話題になりませんでした。
 43年前の1962年8月12日、当時23歳の堀江謙一青年が一人乗りのヨットで太平洋横断に成功しサンフランシスコ湾に入ってきたときは、大騒ぎとなりました。その年の暮れに『太平洋ひとりぼっち』という堀江青年の日記・手記が出版されると一種の社会的ブームとなったことは、もはや戦後史の一部です。
 「なんて無謀なことをしたんだ」と否定的に受け止める者。やりたいことを断固実行する青春の特権を称える者。賛否両論の中を堀江青年は43年間生き続け、43年後にまた単独ヨット無寄港世界一周に挑み成功しましたが、今度は全く話題になりませんでした。話題になっていたのは、皮肉にも同姓の堀江貴文氏によるM&Aでした。
 2005年版『国民生活白書』によると、若い世代に低所得者層が増加しています。パートやアルバイトに就いた2004年の大卒者の割合は全体の24%に達しています。これは、5年前に比べると10ポイントほど上昇しています。このパートやアルバイトを続ける層は年収が正社員の同世代に比べ、約3割減の120万円となっています。一方、一人の子供を育てる費用は1,302万円に上ります。
 年収400万円未満で子供がいない家庭は、全体の2割を超えています。年収400万円超の所得層では1割前後にとどまっているのに対して、低所得世帯で子供を持てない若者夫婦が増加しています。
 『国民生活白書』では、パートから正社員を目指せるような支援制度が必要であると提言しています。また、公的部門が子育て費用の一部を負担することも重要であるとしています。
 貧しさの中で夢を見続けた若者がいた43年前と、低所得を理由に子供を生み育てることを断念してしまう若者がいる現在。
 日本という国の青春時代も終わってしまったのかもしれません。

賃金を支払えない場合にどうなるか
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 倒産等により賃金を支払えない場合、経営者はどうなるのでしょうか?
 労働契約や就業規則で定めた賃金を所定の支払日に支払わなかった場合、労働基準法違反となります。賃金には、賞与および支給条件が明確に定められた退職金も含まれます。賃金および賞与の支払いを遅延すれば、年14.6%の利息を支払わなければなりません。
 法律上の倒産手続に入った場合には、賃金を含む経営者が負うすべての債務の弁済は、それぞれの法律に定められたそれぞれの債権の優先順位や手続きに従って行われます。法律上の倒産手続ではない任意整理では、抵当権等の被担保債権(法定納期限等以前からあるもの)、租税債権、抵当権等の被担保債権(法定納期限等後からあるもの)、一般先取特権のある賃金等、上記以外の賃金等である一般の債権の順です。
 仮に倒産したしても、そのことによって当然に、従業員が賃金を受け取る権利(賃金債権)や、経営者が賃金を支払う義務(賃金債務)がなくなるわけではありません。法律上の倒産手続においては、賃金等の労働債権については、一定の範囲について優先権を与えていますが、会社等に残された財産の状況によっては、賃金の支払いを遅らせたり、カットせざるを得ない場合があります。
 賃金を支払えなければ、従業員から訴訟等を起こされた場合、差押えをされる可能性もあります。通常の訴訟は手間も時間もかかりますが、調停・支払督促・少額訴訟といった簡易で迅速、かつ強制執行ができる制度もあります。
 未払賃金を事業主に代わって国が弁済する制度として、「未払い賃金の立替払制度」があります。1年以上事業活動を行っていた場合に、一定の要件を満たせば、原則未払賃金の8割まで立替払いされます。


今月のことば

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 絶対というのは、この世にない。仏教も科学も相対論的であるため日本人にはわかりにくい観念だが、しいて日本的にいえば、“ダメなものはダメ”という姿勢である。相対という、他と話しあえる掛け橋を焼きはらってしまうのである。
 絶対的思考には、かならず“敵”が設けられる。概念の上での“敵”を現実に倒したときのみ、閃光のように幻想が現実化する。無差別テロのことを思いうかべている。
 日本は、常人の国である。それが私どもの誇りでもある。
 常人の国は、つねづね非・常人の思想とどうつきあうかを、愛としたたかさをもって考えておかねばならない。でなければかえって“世界などどうでもいい”という非・常人の考え方におち入りかねない。
 常人には、どんな非・常人よりも、勇気と英知が要るのである。

                        司馬遼太郎 「風塵抄」
                        『常人の国』より抜粋

〜当事務所より一言〜

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 秋もますます深まり朝晩の冷え込む季節となりました。
 学校では運動会、文化祭、音楽会と行事が続く季節でもあり、身勝手な親代表の私は、我が子の出番のみを見て失礼しております。中には子供の行事を一緒に楽しもうと積極的に参加されている親御さんもいて、そのバイタリティには脱帽という感じです。
 運動会には仮装をして参加、音楽会ではコーラスで参加と、その準備から本番までに掛かる労力は並大抵ではありません。しかし意外と子供の反応は薄く、仮装をしていた人がいたことすら気づいていなかったり、親の歌はつまらなくてあまり聞いていなかったり…。
 一生懸命『子供のために』と思ってしてあげているのにそれが通じていない、又は迷惑と思われている。この状況を見て「日々の仕事で自分はどうだろう?」と考えずにはいられません。とかく「ここまでしてあげたのに感謝の言葉も無い」等と自分の押しつけを棚に上げ不平不満を言ってしまうものです。しかし、相手のためにやっていることが自分の自己満足で終わっていないか。押しつけになっていないか。本当にして欲しいと思っていることはもっと別の所にあるのではないか。…とシビアに自分を見る努力が必要だと感じさせられ、日々の自分を思い返し反省する今日この頃です。

 今月は厚生年金の保険料率の変更、算定後の新等級への変更の月です。当所からお送りした(又はこれからお送りする)保険料額表を確認いただき、事務処理をしていただきますようお願い致します。
 尚ご不明な点は遠慮無くお問い合わせ下さい。(池亀)

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