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平成18年3月号  



市場事務所便り

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社会保険労務士 市場 敬將
 
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母子家庭

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◆急増する母子家庭等
 わが国の年間離婚件数は、昭和39年以降毎年増加し、昭和58年をピークに減少しましたが、平成3年から再び増加し、平成14年には、約29万組となり、過去最高となりました。
 母子世帯数をみると、平成5年現在で、122万5,400世帯と、5年前の95万4,900世帯に対し、28.3%の増加となっています。母子世帯となった理由は、離婚(79.9%)、死別(12.0%)、未婚時の出産(5.8%)等です。また、母子世帯の母の平均年齢は39.1歳と5年前の40.9歳と比べて1.8歳低下し、末子の平均年齢は10.2歳と、5年前の10.9歳と比べ、0.7歳低下しています。

◆母子家庭の収入の状況等
 母子家庭の1世帯当たり平均所得金額は、233万6,000円であり、世帯人員1人当たり平均所得金額は87万3,000円です。これは一般世帯の1世帯当たり平均所得金額589万3,000円、世帯人員1人当たり平均所得金額204万7,000円、高齢者世帯の1世帯当たり平均所得金額304万6,000円、世帯人員1人当たり平均所得金額196万1,000円に比べ低い水準にとどまっています。母子家庭においては母親の83.0%が就業しており、就業している者のうち常用雇用者が39.2%、臨時・パートは49.0%となっています。
 また、母子世帯の母で不就業の者のうち、「就職したい」とする者が86.2%と、5年前の73.1%と比べ就業意欲が高い者の割合が増加しています。平成16年における母子世帯の完全失業率は8.9%と前年と同率になり、一般世帯の完全失業率4.7%に比べ高い水準になっています。

◆公共職業安定所における支援等
 今後、公共職業安定所においては、母子家庭の母等で就職を望む者に対し、きめ細かな職業相談および職業紹介を実施していくこととされています。また、児童扶養手当制度に導入される自立支援プログラムの一環として、就職に向けた重点的な支援を行うため、福祉事務所等と連携し、稼動能力や就労意欲がある児童扶養手当受給者等に対して、個々の様態やニーズ等に応じてきめ細やかな就職支援を行う生活保護受給者等就労支援事業を、東京都、大阪府および14の政令指定都市で実施します。
 また、自立支援教育訓練給付金(教育訓練講座を受講した場合に当該母子家庭の母に対し経費の一部を支給する)や、高等技能訓練促進費(資格等を取得するため養成機関で修業する場合に一定の手当を支給する)、公共職業安定所長の指示により公共職業訓練を受講する者に訓練手当を支給するなど、制度の充実を図っています。

生活保護
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◆生活保護制度とは?
 健康で文化的な最低限度の生活に必要な「最低生活費」を国が定め、申請者の資力が不足する分だけを給付します。月収などがあれば、必要経費などを除き差し引かれます。保護基準額は地域により6段階に分かれ、さらに保護世帯の家族構成によって細かく規定されています。費用は国が4分の3、自治体が4分の1を負担します。

◆生活保護を受ける世帯が急増
 生活保護を受けている人は第2次石油危機後の1985年以降、減少傾向にありましたが、95年から増加しています。厚生労働省「福祉行政報告書」によれば、2004年度の平均受給世帯は約100万世帯、人数は約142万人です。10年前に比べ、1.6倍以上に増えています。日本の全人口に占める割合は、約1.1%、実に100人に1人が生活保護を受けている計算になります。

◆最低生活費とは?
 年齢・性別・世帯構成・所在地域などにより決定されます。たとえば、夫33歳、妻29歳、子4歳の場合、東京23区であれば、162,170円。夫68歳、妻65歳で年金収入が月額9万円のみであれば、最低生活費は171,940円となり、年金収入を差し引き、差額の81,940円が支給されます。

◆問題点
 現状では、高齢者世帯で満額の老齢基礎年金を受給すると、月66,208円、夫婦2人で132,416円が支給されます。高齢者夫婦の最低生活費は上記のとおり17万円程度であり、たとえ満額の老齢基礎年金であっても、生活保護を受けたほうが受給金額は多くなります。生活保護を受けると、様々な生活の制限を受けますが、国民年金保険料を払った人より生活保護を受ける人のほうが受給額が多くなるという現実が起こっています。また、働けるのに働かない、収入があるにもかかわらず、申告をせずに生活保護を受給するなどの不正受給もあると言われています。あたり前のことではありますが、本来受給すべき人に適切な運用ができるようにすべきでしょう。


無断欠勤の社員を解雇できる?
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 社員が無断欠勤を続けており、自宅にも戻っていないようで、連絡も取れない状況となってしまいました。また、ご家族も連絡がとれないようです。この社員は、これまでも何度か無断欠勤をしたことがあり、その都度注意していましたが、会社として社員を解雇したい場合、どのような手続きが必要でしょうか。

◆解雇するには
 行方不明の社員を解雇するには、民法97条の2の「公示送達」によって、解雇の意思表示を行わなければなりません。具体的には、社員の最後の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てを行い、裁判所の掲示板に掲示するほか、掲示したことについて官報および新聞に少なくとも1回掲載し、最後に掲載した日から2週間が経過すれば、社員に会社の解雇の意思表示が到達したものとみなされます。

◆解雇予告手当は
 公示送達によって解雇する場合にも、所轄の労働基準監督署長から解雇予告の除外認定を受けない場合には、社員に解雇の意思表示が到達したとみなされる日(この場合、官報および新聞に最後に掲載した日から2週間が経過した日)の翌日から起算して30日目の日を解雇日と指定するか、30日分の解雇予告手当を供託するか、どちらかの手続きが必要です。

◆労働契約の自然終了
 また、就業規則、労働協約、労働契約のいずれかで無断欠勤が連続して一定期間に及び、連絡不能である場合において自然退職とする旨の定めがある場合には、労働契約の自然終了として雇用契約を終了させることができます。
 ただし、無断欠勤の期間が短すぎる場合や無断欠勤をして連絡が取れなくなったことについて客観的な正当性がある場合には、規定の適用が認められないケースも考えられますので注意が必要です。

有給休暇、取得義務付けを検討
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 競争の激化やバブル崩壊後のリストラなどの影響で、年次有給休暇が年々取得しにくくなり、2004年度の年次有給休暇の取得率は46.6%と過去最低を更新しています。厚生労働省は年次有給休暇の取得を促すなど、労働時間制度を抜本的に見直す検討に入りました。

◆有給休暇は
 会社は労働者を雇入れの日から起算して6カ月間継続勤務し、その期間の全所定労働日の8割以上出勤した労働者に対し、10日間の有給休暇を、その後は1年経過するごとに勤続年数に応じた日数の有給休暇を与えなければなりません。また、パートやアルバイトにも労働時間や労働日数に応じ、定められた日数の有給休暇を与えることが義務付けられています。

◆取得時期を事前に決定
 有給休暇をいつ取得するかについては、労働者の判断に委ねられていますが、職場の雰囲気や同僚や上司への気兼ねなどから、なかなか取得しにくい面があるようです。厚生労働省は有給休暇のうち、一定日数についての取得時期を、労働者の希望を踏まえて企業があらかじめ決めておくことを義務付けることを検討しています。事前に休暇時期を把握することで事業計画を立てやすくなる効果もあります。
 現在も、労使が合意すれば事前に有給休暇の取得日を決めておく制度がありますが、導入している企業は2005年現在で14%にとどまっています。

◆退職時に有給買取りも
 取得しなかった有給休暇の権利は2年で消滅します。現在、厚生労働省は原則的に有給休暇を金銭的な手当てに代えることを認めていませんが、退職時に限って未消化分の有給休暇を企業が買い取る新しい仕組みを検討するようです。


今月のことば

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 日本の官僚の根本的誤謬は、官吏たる職分を忘れて、政治家になったつもりでいたことである。世間も亦封建時代の遺習に依り、官吏を為政者であると誤認した。云うまでもなく、政治家は国の政治を設計し、指揮する者である。官吏は其の政治の設計に必要な材料を整え、或は其の手足になって働くことを任務とする者である。

                   石橋 湛山「官吏は政治家に非ず」

 

〜当事務所より一言〜

 例年よりはるかに多くの雪が降った今冬。
 少しずつですが待ちに待った春の兆しを感じる頃になりました。
 今年は冬季オリンピックの年でもありました。なかなかメダルが取れない中、女子フィギュアスケートの荒川静香選手の金メダル獲得には日本中が興奮と感動をおぼえたのではないのでしょうか。
 荒川選手にとって新採点法によりなかなか評価されない中、オリンピックという目標に向かい、得点の取れるレベル4の技をめざし、かつ自分らしい美しさを求めてつかんだメダルだったようです。
 私たちも荒川選手のようにはいきませんが、自分らしい何か(美しさではありませんが)を求めて過ごすことができたら良いなと思う今日このごろです。
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                        (滝沢)
 
お知らせ

 
 3月分より健康保険の介護保険料率が変わります。(4月納付期限から)1000分の12.5より1000分の12.3になります。後日、保険料案内を送付致しますのでお手数ですが、4月支払いの給与より保険料の変更をお願い致します。

 また、労働保険の年度更新の時期になりました。改めて、ご案内をいたしますのでご協力をお願い致します。
 ご不明な点は当事務所までお問い合わせ下さい。