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平成19年4月号  



市場事務所便り

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社会保険労務士 市場 敬將
 
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改正雇用保険法案のポイント

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◆雇用保険法が改正されます!
 雇用保険制度の安定的な運営を確保し、直面する諸課題に対応するための改正雇用保険法案が、今通常国会で審議され、平成19年4月(以下に掲げた項目については10月)から施行される予定です。
 ここでは、改正案の主な内容をご紹介します。

◆被保険者資格・受給資格要件の一本化

 短時間労働被保険者とそれ以外の被保険者の区分がなくなり、被保険者資格が一本化されます。
 現行では、1週間の所定労働時間が20〜30時間の労働者は短時間労働被保険者という区分に該当し、失業給付(基本手当)を受給するための被保険者期間は12月(短時間労働被保険者以外の一般被保険者は6月)でしたが、受給資格要件は被保険者期間6月に一本化されます(ただし、自己都合等による離職の場合の被保険者期間は12月)。

◆育児休業給付制度の拡充等
 休業前賃金の40%(休業期間中30%、職場復帰6カ月後に10%)から暫定的に50%(休業期間中30%、職場復帰6カ月後に20%)となります。

◆教育訓練給付の対象範囲の見直し

 教育訓練給付の受給要件を、当分の間、初回のみ緩和(3年→1年)されます。
 現行では、教育訓練給付を受給するためには被保険者期間が3年以上なければ支給を受けることができませんが、教育訓練給付金の支給を受けたことがない者に限り、1年以上あれば、教育訓練給付金の支給を受けることができるようになります。

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多くの確定拠出年金が運用放棄されている!

◆手続きが面倒?
 国民年金基金連合会(厚生労働省の外郭団体)の調べによると、確定拠出年金を転職先に持ち運ばず、運用を放棄している人の数が、今年1月末時点で、転職者全体の約6割に相当する7万4,600人いることがわかりました。雇用の流動化に合わせ年金も持ち運びしやすい仕組みになりましたが、一定の手続きが必要で、十分活用されていない現状が浮き彫りになりました。
 厚生労働省は、転職者が自動的に年金を移せるよう、転職者の積立金を専門に運用するファンドをつくることなど、新たな制度の検討に入ったそうです。

◆転職後に一定の手続きが必要
 確定拠出年金は、確定給付年金など他の企業年金とは異なり、企業を窓口にしますが、企業ではなく個人が金融機関と運用の契約を結びます。従来の企業年金は、転職すると年金制度が終わってしまい、積立金を精算する必要がありましたが、確定拠出年金は、転職先が導入していなくても、一定の手続きをすれば引き続き加入できます。
 しかし、転職後半年以内に切り替えの手続きを行わないと、積立金は自動的に国民年金基金連合会に移されます。すると、運用は一時的にできなくなり、将来の受取額が減ってしまいます。放置している間は加入期間に算入されないため、支給開始年齢が本来の60歳から5年間遅れる可能性もあります。

◆生保の個人年金保険への加入が拡大
 一方、民間の生命保険会社が扱う個人年金保険の契約規模が急拡大しているようです。業界全体の保有契約高は84兆5,000億円程度(2006年12月末)になった模様で、2006年度に入って4兆円ほど増加しました。年度ベースでみると、10年ぶりの高水準に達しています。
 空洞化が進む公的年金制度への不信も背景にあり、老後に備えるマネーは「官」から「民」へと移っているようです。




パート労働者に健康保険も適用か?
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◆厚生年金と健康保険の両保険適用を検討
 現在、パート労働者に対して厚生年金の適用を進める際に、健康保険制度への加入も同時に進めることが検討されています。
 年金の場合は、保険料が増えれば加入者が将来受け取る年金が増額されるため、パート労働者からは比較的理解が得やすいといえますが、健康保険の場合、保険料が増えても医療サービスの内容や自己負担額には変わりはなく、負担が増えるだけなので、具体化に向けた議論はかなり難航する可能性がありそうです。

◆負担保険料は年額約55,000円
 新たな保険料の負担を強いられるのは、サラリーマンの妻が多く、パート勤務で年間120万円稼いでいる場合、健康保険料の負担は年間55,000円程度になるとする試算結果を厚生労働省は出しています。厚生年金保険料と合わせると、給与から控除される金額が増額され、パート労働者にとっては収入減につながります。
 また、厚生年金保険の適用条件を、現行の労働時間の週30時間以上から週20時間以上に広げる検討もなされており、労働時間そのものを減らすパート労働者が出てくる場合も考えられそうです。

◆保険料負担が減る世帯は
 夫婦が2人ともパートやアルバイト等の非正社員で、国民健康保険に加入している場合は、健康保険加入により、保険料が減額になる場合があります。国民健康保険にはない制度を受けることができるようになる上に、1年間の保険料も、世帯で約33,000円減額になるとする試算が出ています。

◆健康保険加入で受けられるサービス
 被扶養者としてサラリーマンの健康保険に加入している場合に比べると、いくつかの給付等のサービスが増えます。私傷病等で仕事を休業する場合には「傷病手当金」を申請することにより収入の約60%の休業補償を受けることができ、また、女性の場合は「出産育児一時金」に加えて「出産手当金」が、産前・産後休業の期間受け取れます。育児休業をしている期間には、保険料の免除もあり、いくつかメリットもあります。



定年年齢を引上げるともらえる奨励金
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◆「定年引上げ等奨励金」とは
 昨年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、多くの企業で再雇用制度等の導入が行われましたが、国はその先をみており、65歳以上、さらには70歳まで働ける制度の普及を進め、最終的にはいくつになっても働ける社会の実現を目指しているようです。
 この政策を推進するため、平成19年度より「定年引上げ等奨励金」制度(平成19年度の予算が国会で成立後、政令の改正を根拠として施行、一部変更となる場合あり)が創設されることとなりました。
 この奨励金は、以下の2種類で構成されています。

◆中小企業定年引上げ等奨励金
 事業主(常用被保険者数300人以下)が就業規則等により定年引上げ等(65歳以上への定年引上げまたは定年の定めの廃止)を実施した際に、その経費として一定額を1回に限り支給します。
 また、70歳以上への定年引上げまたは定年の定めの廃止を実施した場合には、1回に限り上乗せして支給されます。
<65歳以上への定年引上げまたは定年の定めの廃止>
(企業規模ごとの受給額)
1〜9人:40万円
10〜99人:60万円
100〜300人:80万円
<70歳以上への定年引上げまたは定年の定めの廃止(上乗せ額)>
(企業規模ごとの受給額)
1〜9人:40万円
10〜99人:60万円
100〜300人:80万円

◆雇用環境整備助成金
 事業主(常用被保険者数300人以下)が、定年引上げ等を実施後1年以内に、55歳以上の常用被保険者に対して研修等を行う場合、その研修等に要した経費の2分の1を当該事業主に支給します。
 支給対象となる研修等とは、以下の条件にいずれも該当することが必要です。
1.キャリア・カウンセリングや定年退職等に伴う意識改革など、事業主の雇用する常用被保険者の雇用機会の確保等、職業生活の充実に資するものであること
2.実施時間が合計で7時間以上(複数組み合わせ可能)であるもの
3.法令違反や反社会性を助長する内容等でないもの
4.計画について、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の理事長の認定を受けたものであること




今月のことば
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 要するにロシアはみずからに敗けたところが多く、日本はそのすぐれた計画性と敵軍のそのような事情のためにきわどい勝利をひろいつづけたというのが、日露戦争であろう。
 戦後の日本は、この冷厳な相対関係を国民に教えようとせず、国民もそれを知ろうとはしなかった。むしろ勝利を絶対化し、日本軍の神秘的強さを信仰するようになり、その部分において民族的に痴呆化した。日露戦争を境として日本人の国民的理性が大きく後退して狂躁の昭和期に入る。やがて国家と国民が狂いだして太平洋戦争をやってのけて敗北するのは、日露戦争後わずか四十年のちのことである。敗戦が国民に理性をあたえ、勝利が国民を狂気にするとすれば、長い民族の歴史からみれば、戦争の勝敗などというものはまことに不思議なものである。

司馬 遼太郎   『坂の上の雲(八)』 
あとがきより抜粋



〜当事務所より一言〜

 新年度が始まりました。新年度ということで、気持ちを新たにしようと思い、本屋で一冊の整理整頓に関する本を買ってみました。
 本には、まず、いらない物といる物の区別をつけることが大事と書いてありました。
 先日、テレビで長野県民が一番『物持ちの良い県』だとやっていたのを見ました。20年以上使っている電化製品がある家も20%あるそうです。

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 物持ちが良い=いらない物が多いとは言えませんが、物を大事にしようという気持ちがあるからこそ、いらないと決めつけられないのでは・・・
 そう考えて、また、物が増えていく日々です。


                        (関塚)        

 前月もご案内致しましたが、
労働保険の年度更新の時期になります。保険年度の初めに新年度の概算保険料及び前年度の保険料を確定するための申告・納付を行う、年に一度の大切な手続きですので、ご協力をお願いします。
 また、雇用保険料率が変更になる予定があります。国会で法案が通り次第ご案内致します。
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