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平成19年6月号  



市場事務所便り

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社会保険労務士 市場 敬將
 
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年金加入記録の不一致で揺らぐ年金制度

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◆24万件の加入記録が不一致
 社会保険庁は、昨年夏から始めた年金加入者からの加入記録の照会が約180万件にのぼり、そのうちの24万件について、本人の申告と同庁の記録に不一致があったことを明らかにしました。
 記録が確認しきれず再調査に回された分も2万5,000件に達したそうです。保険料未納の問題を含め、年金制度運営そのものの甘さが背景にありそうで、公的年金の信頼性に改めて不安を投げかけています。

◆加入記録不一致の原因は?
 申告と記録の不一致がこれほど多いのは、同庁の入力や記録ミスだけでなく、複雑な制度への加入者の理解が進まず、加入者の手続きの不備が相次いだことにも原因があるようです。記録を不備なままにしておくと、将来受け取る年金額が減るおそれもあります。これを避けるためには、加入記録に空白期間がないか、加入者本人のチェックが重要になります。
 さらには、一部の古い記録は破棄されていたことも判明しています。国の年金管理のあり方に問題があったとはいえ、同庁の出直し改革の焦点にもなりそうです。
<加入記録と本人申告に不一致が生じる主な理由>
・社会保険庁による登録ミス
・企業による届出ミス
・年齢をごまかして加入
・会社を辞めて結婚後、別姓で年金手帳を再発行  
・転職後に前の年金番号を忘れて年金手帳を再発行 
・年金手帳を紛失して別の番号で再発行 など

◆強制徴収の目標数を倍の60万件に
 国民年金保険料の納付率が現在も7割に満たないという状況において、同庁では、納付率向上のため2005年に策定した業務改革プログラムの見直しを行いました。十分な所得や資産があるのに保険料を納めない悪質な未納者・滞納者の預貯金などを差し押さえる強制徴収を強化し、2006年度に35万件としていた目標を、2007年度は60万件に引き上げています。納付率向上のため、市区町村から集めた情報により未納者のタイプを分類し、未納者のタイプ別に納付者数の目標などを策定する方針です。
 また、これとは別に、健康保険や厚生年金の保険料を滞納している事業所に対しても、各地にある社会保険事務所に徴収目標の数値や具体的な取り組みの策定を求めています。



 

普及・定着するか?「短時間勤務正社員制度」

◆「短時間勤務正社員制度」の目的
 短時間勤務正社員制度は、フルタイム勤務一辺倒の働き方ではなく、自己のライフスタイルに応じて多様な働き方を実現させるとともに、これまで育児や介護をはじめとして様々な制約によって就業を継続できなかった人や就業の機会を得られなかった人たちの就業の継続を可能にするための制度です。
 労働者が育児や介護・自己啓発などの必要性に応じて、正社員のまま仕事を継続することができるため、「多様就業型ワークシェアリング」の代表的制度として、今後定着が期待されている制度です。

◆2つのタイプがある「短時間勤務正社員」
 短時間勤務正社員とは、フルタイム正社員より1週間の所定労働時間が短い社員のことをいいます。タイプは2種類あり、フルタイム正社員が短時間・短日勤務を一定期間行う場合と、正社員の所定労働時間を恒常的に短くする場合に分かれます。
 前者のメリットとしては、従業員が育児や介護、社会活動など必要性に応じて時間をとることができ、有能な人材の確保が容易であること、後者のメリットとしては、仕事と家庭のバランスを図りやすく、健康面や体力面での配慮が可能になることとされています。
 どちらにしても、企業が人事・労務管理を見直す機会となり、企業運営の効率性を高めるきっかけにもなります。

◆制度導入にあたっての注意点
制度を導入する際には、導入のメリットを確認した後、実際に現場の管理職や従業員の声を拾い上げるための調査を実施する必要があります。その留意点としては、以下のことが考えられます。
1.「企業のコスト削減等のための労働時間短縮制度」との誤解を招かないよう、労働者側のメリットも周知すること
2.各識層のニーズを偏りなく把握すること
3.意見を述べた個人の特定ができないように、調査票は無記名にするなどの配慮が必要ではあるが、所属部署・業務内容等は回答してもらうこと

◆可能な部署からの導入も
 制度を全社的に導入できることが望ましいでしょうが、可能な部署から実施し、徐々に拡大していく方法もあります。いずれにしても、制度の円滑な導入を進めるためには、労使それぞれの立場からの意見が反映できるように、社内での十分な検討が必要になります。




運行管理者に対する規制が強化されます
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◆悪質行為の取締まり基準強化 
 国土交通省は、飲酒運転などの問題が相次いでいることから、タクシーやバス会社などの運行管理者が、運転手の悪質な行為を容認した場合などについて、管理者資格を直ちに取り消すことができるよう、資格返納命令の発令基準を今年の7月から改正するそうです。
 これまでは、違反行為を繰り返し、運転手への監督や指導が不十分と判断された場合などに限って資格返納命令を出していたものを、より強化していきます。

◆返納命令が出せるケース
以下のような場合、直ちに資格の返納命令が出せるようになります。
1.管理者が運転手に飲酒運転、無免許、薬物使用などの悪質行為をさせたり、容認したりした場合
2.管理者自身が事業用車両で飲酒運転などを行った場合
3.管理者が運転手への点呼をまったくしていなかった場合
4.安全確保に関する違反行為を隠ぺいしていた場合

◆貸し切りバスに対する安全対策
 また、今年2月に大阪府吹田市でスキー客ら27人が死傷したバス事故を受け、貸し切りバスへの安全対策も実施します。
 目的地での運転手の睡眠施設の確保を義務化し、運輸局の監査などで確認できるように、バス事業者が作成する運行指示書に施設名を記入させる方針で、今年の夏ごろに省令を改正する方針です。
また、警察庁は、今通常国会に飲酒運転の罰則引上げなどを盛り込んだ道路交通法改正案を提出しています。



裁判外紛争解決手続(ADR)の時代が到来!?

◆「ADR」とはどんなものか?
 裁判外紛争解決手続(ADR)は、裁判によらない紛争解決手段(仲裁、調停、あっせん等)を広く指すものであり、厳格な手続きによってすすめられる裁判と比較すると、「柔軟な対応」、「迅速な解決」に特徴があるといえます。
 ADRは「訴訟手続によらず民事上の紛争を解決しようとする紛争当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決手続を図る手続」などと定義され、「司法型ADR」、「行政型ADR」、「民間型ADR」に分類されます。
 労働分野の代表的な「行政型ADR」には、都道府県労働局で行われる「あっせん」の制度があります。
<ADR機関の例>
・司法型……民事調停、家事調停
・行政型……公害等調整委員会、中央労働委員会、国税不服審判所
・民間型……財団法人交通事故紛争処理センター、弁護士会仲裁・あっせんセンター

◆4月1日から「ADR法」が施行
 4月1日から、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(いわゆる「ADR法」)が施行されました。この法律の目的は、「紛争の当事者がその解決を図るのにふさわしい手続を選択することを容易にし、もって国民の権利利益の適切な実現に資すること」(同法1条)とされています。
 ADR法の施行で定められた「認証制度」(一定の要件に適合した民間事業者を法務大臣が認証する制度)により、これまで十分に機能しているものばかりとはいえなかった「民間型ADR」の充実・活用が期待されています。




今月のことば
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 「僕(黒澤 明)の映画には何か共通のテーマがあるように思うんだが、ひとつだけ考えるとすればそれは《人間はなぜ一緒に幸福になれないのか?》というテーマかな。これは本当に大問題だ。」だが、この問いを発するということは、すなわちそれに答えていることでもあるのだ。これこそ黒澤があらゆる主要な自作の中で語って来たことなのだ。一緒に幸福になることはできない−なぜなら、一人ではないから。一緒に幸福になることはできない−なぜなら、人間だから……。
 黒澤は映画を作った哲学者である。そして彼は、人間の弱さの中に人間らしさがあると断言する。しかしどんなに弱かろうと、人間は希望することができ、希望の力で勝つことができる。サムライたちと野盗たちは、ひとつであり同じものであるかも知れない。しかしそこには別に、戦いのあと、希望と信頼を失わずふたたび稲を植える農民たちがいる。この希望のない世界の真っただ中で希望を保つためには、戦わねばならぬ。この戦いにおいて人間は皆、同胞である。

『黒澤 明の映画』より抜粋  
ドナルド・リーチ 著  



〜当事務所より一言〜
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 先日ラジオで、昔の女学生の研究をしているという大学教授が話をしていました。
昭和の初期の頃の女学校、女学生の生活等を調べている一環で、当時の女学生(現在は80歳代)を集めて座談会をしたそうです。座談会の始まりは会話もぽつり、ぽつりだったそうですが、話が当時の先生の話や楽しかったエピソードの話になったとたんに声が大きくなり、はつらつとした笑い声が聞かれ本当に盛り上がってしまったそうです。それはまさに女学生の頃の無邪気な表情そのもので、教授も驚いてしまったということでした。
 この話は自分にも思い当たる節があります。すでに卒業から20年余りの時を経ているはずなのに、学生の頃の友達と昔話をしているときの気持ちは10代の『箸が転がってもおかしかった頃』に戻ってしまいます。今はお互い忙しくて会えてもせいぜい1年に1回。今後当分ゆっくり話をする時間は作れそうにありません。でも大丈夫!女は80歳を過ぎても気持ちはいつでも女学生にタイムトリップできる生き物だと分かったので、それは老後の楽しみとして、また今日もがんばって働こうと思います。


                        (池亀)        

  


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お知らせ
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 社会保険料の見直しを行う算定届提出の時期となります。4・5・6月に支払われた給与額をもとに保険料を見直しします。
 近々、ご用意頂く書類等の案内文書を発送する予定です。お忙しいところお手数をおかけ致しますが、ご協力をお願いします。
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