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平成19年10月号  



市場事務所便り

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社会保険労務士 市場 敬將
 
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製造業の「偽装請負」防止へガイドライン

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◆発注者と下請会社が取り組むべき措置
 製造業の工場における構内下請けなどをめぐっては、「偽装請負」などの法令違反や、労働者が勤続を重ねて技能や技術を習得しても賃金が増えないなどの問題が指摘されています。

◆チェックシートも盛り込む
 厚生労働省は、下請会社(請負事業者)・発注者それぞれが取り組むべき措置に関するガイドラインおよびチェックシートを作成し、その周知・啓発を6月下旬に都道府県労働局長に通達しています。 通達で示されたのは、以下の5つとなっています。

製造業の請負事業の雇用管理の改善および適正化の促進に取り組む・・・
・請負事業主が講ずるべき措置に関するガイドライン
・発注者が講ずるべき措置に関するガイドライン
・請負事業主が講ずるべき措置に関するガイドラインのチェックシート
・発注者が講ずるべき措置に関するガイドラインのチェックシート
・請負事業主および発注者が講ずるべき措置に関するガイドライン  

◆労働力の貸し借りは原則禁止
 製造業で一般に利用されている労働形態には、主に、1.出向(在籍型)、2.労働者派遣、3.請負契約による外注、4.業務委託契約による外注の4つがあります。
 職業安定法44条により、労働者派遣と厚生労働大臣の許可を得て労働組合などが無料の労働供給事業を行う場合を除き、労働者供給事業を行うことおよびこうした業者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させることは禁止されています。

◆発注者が指揮命令すれば「偽装請負」に
 請負か業務委託かは、契約の目的が仕事の完成にあるか、それとも業務の処理にあるのかによって異なりますが、どちらも製造業が下請業者の労働者を使用すること、すなわち、指揮命令を行うことが許されない点では同様です。
 形式的に請負契約や業務委託契約を締結していても、実態は、発注者が請負業者・受託業者の労働者を指揮命令しているなど、請負・受託の基準を満たさない場合、実態は労働者派遣とみなされ、「偽装請負」とされることになります。


役員の処遇はどう変化している?
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◆業績向上の成果は役員にどう配分されているか
 2006年5月に会社法が施行され、経営のあり方や役員の処遇をめぐる環境が変化しつつある中、景気拡大を背景にした企業業績向上の成果が、 経営者にどのように配分されているのかといった点に注目が集まっています。

◆役員報酬の水準はアップ
 役員報酬の水準は、賞与の有無、資本金や従業員規模の大小、さらには上場・未上場等の区分によって大きなバラツキがあります。
 ある調査研究会社のデータによると、集計対象企業の異同もあり、厳密な比較はできないものの、「社長」に焦点を当ててみると、全体計は2005年の2,500万円に対して2006年は3,100万円と600万円のアップ。同様に「賞与あり」の場合は、2005年の3,200万円に対して2006年は3,600万円で400万円のアップ。「賞与なし」の場合は2005年の1,900万円に対して2006年は2,800万円で900万円のアップとなっています。
 即断はできないものの、景気拡大を背景にした業績向上の成果が、より多く経営層へ配分されたものと考えられます。

◆定年制導入率、平均定年年齢はほぼ変わらず
 役位別に定年制の導入率をみると、会長23.9%(前年調査25.9%)、社長40.3%(同37.4%)、専務取締役56.7%(同52.9%)、常務取締役59.0%(同53.5%)、取締役59.2%(同58.7%)となり、ほぼ2005年と同様の結果となっています。
 また、平均定年年齢をみると、会長67.0歳(前回調査68.7歳)、社長65.6歳(同65.7歳)、専務取締役64.0歳(同64.0歳)、常務取締役63.4歳(同63.0歳)、取締役62.1歳(同61.8歳)となっています。

◆役員退任後の処遇は?
 役員退任後はどのように対応しているかをみると、「ルールはなく、人によって異なる」が45.6%と最も多く、ケースバイケースで対応している企業が半数近くを占めています。
 一方、「とくに処遇しない(そのまま退任)」という企業も27.2%と3割近くあります。「役員退任後は、常勤もしくは非常勤の顧問や相談役として処遇する」と回答した企業の中で、まず、名称については、「顧問」が58.8%、「相談役」25.5%となっています。常勤・非常勤の区分は「常勤」が43.1%、「非常勤」が54.9%でほぼ半々です。
 顧問や相談役の年間報酬額をみると、常勤の場合は平均822.5万円、非常勤の場合は平均353.5万円です。ただし、退任後の報酬は退任時の役位等によって相当異なっています。


「適年廃止」まで5年を切っています
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◆平成18年度の適年解約企業の44.8%が中退共を選択
  平成18年度における、税制適格退職年金制度(適年)から中小企業退職金共済制度(中退共)への移行企業数は2,779社(前年度比30.3%減)、従業員数は78,686人(前年度比37.1%減)でした。減少の原因は、平成17年4月から適年資産の全額移換が可能となったことにより、平成17年度の移行企業数が一時的に増加したこととみられます。
 なお、平成18年度中に適年を解約した企業のうち、中退共に移行した企業の割合は44.8%、平成14年度から18年度までの5年間では33.6%となっています。

◆適年は平成24年3月末で廃止
 適年は平成24年3月末で廃止されることから、企業に残された期限はあと5年を切っています。加入企業としてはそれまでに他の企業年金制度に移行するなどの対応が必要であり、中退共は有力な移行先の1つになっています。 平成16年度までは適年資産移換限度額(378万円)があったため、限度額を超え移換できない金額が従業員に返戻(一時所得)されてしまうことが、移行を妨げる要因の1つになっていましたが、前述の通 り、平成17年4月より適年試算を全額移換できるようになりました。
 平成18年度に入ってからは月平均231社が中退共に加入しています。この結果 、平成18年8月には適年から中退共への移行企業数は1万社を突破し、平成14年4月から平成19年3月末までの5年間で移行企業総数は11,780社、従業員総数は338,581人となっています。


パートタイム労働法の改正
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◆来年4月から施行されます
 少子高齢化、労働力人口減少の状況を踏まえ、パート労働者が能力を一層有効に発揮することができる雇用環境を整備するため、パートタイム労働法が改正されました。
 施行までに、改正法に沿った対応が必要となります。以下、改正のポイントをまとめてみました。

◆雇入れの際は労働条件を文書などで明確に
 一定の労働条件について、明示が義務化されます(改正法6条)。また、待遇の決定にあたって考慮した事項について説明することが義務化されます(改正法13条)。

◆パート労働者の待遇は働き方に応じて決定を
 パート労働者は、繁忙期に一時的に働く方から正社員と同様の仕事に従事し長期間働く方まで、その働き方は様々です。このため改正法では、パート労働者の待遇について、正社員との働き方の違いに応じて均衡(バランス)を図るための措置を講じるよう規定しています。
 具体的には、「職務」、「人材活用の仕組み」、「契約期間」の3つの要件が正社員と同じかどうかにより、賃金、教育訓練、福利厚生などの待遇の取扱いをそれぞれ規定しています。

◆パート労働者から正社員へ転換するチャンスを
 正社員への転換を推進するための措置(以下の措置またはこれらに準じた措置)を講じることが義務化されます(改正法12条)。
<講じる措置の例>
・正社員を募集する場合、その募集内容をすでに雇っているパート労働者にも通 知する。
・正社員のポストを社内公募する場合、すでに雇っているパート労働者にも応募する機会を与える。
・パート労働者が正社員へ転換するための試験制度を設けるなどの転換制度を導入する。

◆パート労働者からの苦情の申出に対応を
 パート労働者から苦情の申出を受けたときは、事業所内で自主的な解決を図ることが努力義務とされます(改正法19条)。 紛争解決援助の仕組みとして、都道府県労働局長による助言、指導、勧告、紛争調整委員会による調停が設けられます(改正法21、22条)。


今月のことば
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 私の小学校の担任だった西田先生は、あるとき父に「息子さんの成績はあまりにひどい。ご両親とも小学校の先生だったのだから、少しは家で勉強を見てやられてはどうですか」と忠告した。これは私が社会人になってから、西田先生に聞かされて知ったことなのだが、そのとき父はこう言ったという。
 ―――残念ながらウチの子は「金」ではない。勉強でもほかのことでも人より劣る。それでも、親が勉強を見てやれば、一応の格好はつけられるだろう。でも、それは鉄に金メッキするようなものだ。メッキはいずれ、はがれる時がくる。それこそ本当に当人にとって悲劇だ。それより、鉄は鉄として、メッキせずにどう生きていけるのか、それをもがいて探させた方がいい。今は当人にとってキツくても、人生の出発点にこそ、自分はしょせん鉄なんだと、身に染みてわからせた方がいい―――

中坊公平 著  
『金ではなく鉄として』より抜粋  


〜当事務所より一言〜

 今月約10年ぶりに家族で東京ディズニーランドに行こうと計画をたてています。 まずホテルの予約が携帯電話で出来たことに驚き、何事もマニュアルでこなしてきた私にとっては当日になるまで心配です。しかしながらイベントというものは計画している段階が一番楽しくて、いざ行ってみたら思い描いていたものとはだいぶ差があり計画倒れになるのではと心配はつきません。長男も中学1年になり喜んで付いてくるのも最後かな…という思いからの家族旅行です。とにかく天気だけは晴れてくれるよう予報が気になる毎日です。


                        (町田)        

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お知らせ

 今月は、厚生年金保険料率の変 更及び標準報酬の定時決定による 社会保険料の変更の月です。
 厚生年金保険料率が1000分の 146.42より1000分の149.96 になります。
 当事務所よりご案内をしている保険料一覧を参照し変更をお願い致します。
 ご不明な点は当事務所までお問い合わせ下さい。

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