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平成20年3月号
  


市場事務所便り

 

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ねんきん特別 便記録訂正わずか7%

 誰のものかわからない、宙に浮いた年金記録。およそ5,000万件もある公的年金の記録漏れ問題の解明作業が、出足からつまずいています。 年金記録の確認を促す「ねんきん特別便」を送り始めてから約2カ月がたちますが、持ち主が確認された記録は1割足らずです。全容解明の道筋がまったく見えてきません。

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◆ 全面解決ほど遠く…
 年金記録の統合作業はとても順調とはいえません。 社会保険庁では昨年12月末までに約48万通 のねんきん特別便を送付しましたが、記録訂正の申出があったのは2月初旬頃までで約3万6,000件。 全体のわずか7%程度です。
 ねんきん特別便は、まずは名寄せ作業の結果、基礎年金番号の記録と結びつく可能性のある記録が出てきた人を対象に送られました。 この人たちは、「記録漏れ濃厚」と社会保険庁が見込んだ受給者で、記録が回復されれば受け取る年金額も増えるのですから、申出も多く寄せられるだろうと見込んでいたわけです。 ところが、申出件数が予想外に少なかったことに加え、専用の電話相談も5万数千件程度にとどまっているなど、記録漏れ問題の全面 解決にはほど遠い状態です。
 また、保険料を納めた証拠がない人への年金給付を審査する、総務省の年金記録確認第三者委員会の作業も遅れ気味です。 昨年末の時点で約3万5,000件の異議申立てがありましたが、何らかの結果 が出たものは4%程度にとどまっています。 慎重に審議を進めていることもあり、判定作業に時間がかかっているのです。

◆ 複雑な制度・申請主義が解決の壁に…
 ねんきん特別便の予想外の低調ぶりについて、社会保険庁は「年末年始で出足が鈍かった」と分析していますが、果 たして理由はそれだけでしょうか。
 該当者の反応が鈍い背景には、年金制度の運営方法がわかりにくいという側面 があります。
 年金記録が正しいかどうかは、自ら確認する必要があります。 記録を訂正する場合には、抜けている記録を修正するための証拠を添えて、社会保険事務所に修正手続を求める必要があります。 年金制度の仕組みがわかりにくいため、理解できずに放置している高齢者が相当数いるとみられているのです。 ねんきん特別便は受け取ったものの、記録統合をあきらめているケースもあります。
 今なお、社会保険庁は年金の申立てについて「申請主義」を原則としていますが、このままの「待ちの姿勢」では全面 解決はおぼつきません。 当事者らしからぬ社会保険庁の体質には、批判が集まっています。 制度の運営や管理の体制を立て直さなければ、延々と同じ混乱を繰り返しかねません。再考が望まれるところです。


生活保護が年金の代わり!? 高齢無年金者問題
 

 「無年金者」「低年金者」と呼ばれる人たちがいます。保険料未納等により受給要件を満たさないために年金をまったく受け取ることのできない人、加入期間が短い等の理由のために年金額が低い人のことです。  高齢期に低所得となり、年金や貯蓄では生活を賄えない人の最後の拠り所となるのが、生活保護です。2005年時点で生活保護を受けている65歳以上の高齢者のうち、50%以上が「無年金者」であるといわれています。これは、公的年金の役割を生活保護が事実上肩代わりしている実態を表しているといえるでしょう。

◆ 高齢無年金者の現状
 生活保護を受けている無年金者は2005年時点で約29万4,000人、1998年度の14万4,000人から7年間で2倍以上に増えています。
 低年金のため、年金と生活保護を合わせて受給している高齢者も増加しています。自営業者等と異なり、年金以外に収入を持たないような人は、基礎年金額のみでは生活は困難だからです。調査によると、こうした人の平均年金受給額は月4万6,000円で、生活保護を受けていない人の平均額11万円強の半分以下です。
 保険料の納付率低下が問題となっていますが、これにより、将来の無年金者・低年金者の増加や、それに伴う生活保護受給者の増加を懸念する声もあります。 現在、生活保護予算は増加の一途をたどる見通しで、2007年度の生活保護予算は2兆6,000億円、15年前の約2倍にふくらんでいます。

◆ 年金と生活保護の関係
 年金額が生活するのに十分でない場合、預貯金がない、勤労が困難である、親類の支援がない、等の条件を満たせば、生活保護の受給対象となります。無年金者・低年金者の多くが、この条件を満たし、生活保護の受給対象となっているのが現実です。
 現行の年金制度は、無年金・低年金の高齢者が生活保護に流れることで、「国民皆年金」の前提が崩れ始めています。また、将来の年金給付額の水準が生活保護よりも低い場合に納付意欲に影響を与えるおそれがあること、保険料を納めずに生活保護を受ける人に対する不公平感など、問題点も挙げられています。
 無年金者・低年金者の発生を防ぐための一番の対策は、国民年金の保険料納付率向上のための対策をとることです。年金制度改革において、高齢者に対して一定額の所得を保障する制度を設けるといった案も提案されています。無年金者・低年金者の問題は、年金改革論議にも一石を投じることとなりそうです。

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管理監督者の定義とは

 大手ファーストフードチェーンの店長が未払い残業代の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は原告の訴えを認め、会社側に755万円の未払い残業代の支払いを命じました。チェーン店の店長を管理職として扱うべきか、それとも非管理職として扱うべきか、判決は、同種の企業各社に影響を与えそうです。
 今回の訴訟は、世間的に関心も高く注目されていました。今、管理監督者の定義が再び問われ始めているといえます。

◆管理監督者の残業代訴訟
 過去にも、このような訴訟は数多くありました。
 代表的なものとしては、「レストラン・ビュッフェ事件」(昭和60年・大阪地裁判決)や「三栄珈琲事件」(平成元年・東京地裁判決)等が挙げられます。いずれの事件も、店長が管理監督者に該当するかどうかが争われましたが、店長がタイムカードなどで出退勤を管理されていたこと、経営方針など重要事項の決定に参画の余地がなかったことなどから、「管理監督者には該当しない」という判決が出ています。
 新しいところでは、大手紳士服店店長の残業代請求訴訟で、会社側が600万円の解決金を支払ったケースもあります。 今回の訴訟では、「店長が管理職として経営者と一体的な立場にあり、出退勤の自由や賃金などで一般 労働者に比べて優遇されているか否か」が争点になりました。判決は、(1)店長の権限が店舗内に限られる、(2)営業の必要上相当の長時間労働が必要となり勤務時間の自己決定権はない、(3)年収が管理職の待遇としては不十分、との理由から、「店長は権限や処遇からみても管理職とはいえない」としました。

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◆管理監督者の明確な定義
 厚生労働省の通達によると、管理監督者に当たるかは、(1)労務管理などで経営側と一体の立場にあるか、(2)賃金や勤務形態が優遇されているか等の、職務・職責・待遇を基準として判断されます。明確な線引きがしにくく、総合的な判断が必要になります。
 名目的に就業規則や社内規程に定めるだけではなく、現実的に管理監督者といえるかどうか、大局的な立場に立った判断が必要とされているといえます。


「社会的弱者」の就業支援を強化
 

 厚生労働省では、「社会的弱者」と呼ばれる、障害者や母子家庭の母親等の就職を支援するための対策を強化します。
 国は、こうした人たちに対し、手当や生活保護の支給などで経済的支援を行ってきました。しかし、高齢化で社会保障費は増える一方であり、支援の受け手が増えれば制度維持自体が困難になることが懸念され始めていました。今回の就業支援強化には、「社会的弱者」と呼ばれる人たちの経済的自立を後押しすることで、社会保障費を圧縮する狙いがあります。また、働く意欲と能力のある人が自立できれば、今後減ることが確実な労働力の確保にもつながると考えられています。

◆障害者の就業支援
 厚生労働省は、障害者雇用促進法の改正案を今国会に提出する方針です。具体的には、(1)障害者の法定雇用率を遵守しないと罰金の対象となる企業の範囲を段階的に広げる、(2)障害者就業・生活支援センターを現在の135か所から2011年度までに400カ所に増設する、(3)社会福祉法人職員などが職場を訪問して障害者と起業に助言するジョブコーチの数を2011年度までに現在の3倍以上の5,000人に増やす、といった内容が盛り込まれることになります。
 障害者雇用促進法では、従業員56人以上の企業の場合、従業員数の1.8%以上の障害者を雇用するよう義務づけています。現行法では、目標に達しない場合、従業員数301人以上の大企業には罰金が科されます。この対象範囲が、段階的に従業員数101人以上の中小企業にまで広げられることになります。現在、目標未達の場合に罰則対象となる企業数は約1万2,000社、うち約7,600社が実際に罰金を科されています。対象が改正案どおりに拡大されれば、現状の雇用率が維持された場合、新たに約1万7,000社が罰金を科されることになる見込みです。

◆母子家庭の母親の就業支援
 母子家庭の母親の85%は仕事をしていますが、約半数はパート勤務です。世帯収入の平均も年200万円程度と低いため、正社員登用への足がかりが必要視されていました。
 2008年度から、母子家庭の母親の就業形態をパートから正社員に切り替えた中小企業に、一時金として15万円が支給される制度が導入され、正社員登用への支援が始まります。また、収入のない職業訓練中に生活費を無利子で貸す制度が拡充され、就職後の返済期間が現行の10年から20年に延ばされます。

◆生活保護受給者の就業支援
 福祉事務所やハローワークの担当者と連携して職業訓練などの計画を作り、就労を支援する事業を積極化していくとしています。


今月のことば
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 志を持って生きていても、企業の場合は結果 論が付いて回りますから、それに耐えなければいけない。志が何であるかということにもよりますが、何にしろ、私心がなければ大丈夫です。 私心があると、見えるものも見えなくなってしまう。そして、過度に自分を出そうとしたりする。とにかく、自分に少しでもいやしいところがないか絶えず問いかけて、私心がないようにしなくてはだめですね。・・・・・私心を持たないということは、志を保つことです。 志というのは、みんなのためのあるべき姿を求めるということ。自分はどうなってもいいということじゃないと、提案することに迫力が出てこない。
 若いときから自分じゃなく会社のことを心配している連中は、そのあとで伸びています。若い社員のうちから会社のことを考えているというのは、一つの志ですからね。

城山三郎×内橋克人 著 
「人間復興」の経済を目指して より抜粋 


〜当事務所より一言〜

 寒い中にも少しずつ春の暖かさを感じられるようになってきた今日この頃ですが、花粉症の方々にはうれしくない時期にもなってまいりました。(私も例外ではありませんが…)いろいろ節目の時期でもあります。 我が家の息子も幼稚園を卒園する年になりました。先日、幼稚園での最後のお弁当持参の日がありました。 帰ってきた息子のお弁当袋をあけると「おかあさん3ねんかんおべんとうつくってくれてありがとう」と手紙が入っていました。 先生に教えてもらいながら、まだまだ上手く書けない字で一生懸命書いてくれた思いがけない手紙でした。当然のように作っていたお弁当一つにも、ありがとうの言葉はとても嬉しいものでした。 私もこの機会に、普段は何気ない事にもあらためて「ありがとう」と言ってみようかな、と思います。

(青木) 

 

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お知らせ

 3月より健康保険の介護保険料率が変わります。(4月納付期限分から)
1000分12.3から1000分11.3になります。
後日、保険料案内を送付致しますのでお手数ですが、4月支払いの給与より保険料の変更をお願い致します。

 また、労働保険の年度更新の時期になりました。改めてご案内致しますのでご協力をお願い致します。

 また、労働保険の年度更新の時期になりました、改めてご案内を致しますのでご協力をお願い致します。
 ご不明な点は当事務所までお問い合わせ下さい。

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