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平成21年12月号

市場事務所便り
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社会保険労務士 市場 敬將
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ハローワークにおける
「雇用支援ワンストップサービス」

◆「緊急雇用対策」の目玉
 政府が10月23日に公表した「緊急雇用対策」の中の1つに、「雇用支援ワンストップサービス」というものがあります。新聞報道によれば11月下旬からサービスがスタートするとのことです。
 ハローワークに確認しても、「詳しい手続き等はまだ明らかになっていない」とのことでしたが、一体どのようなサービスなのでしょうか?

◆どのようなサービスか?
 この「雇用支援ワンストップサービス」は、ハローワークにおいて「職業の紹介」や「生活資金の貸付け」、「住宅手当の支給」「就業の支援」(働きながら介護資格を取得できるようにする)などの複数の手続きについて、失業者が一括して行うことのできるサービスです。
 これまでは、これらの複数の手続きを別々のところに申請しなければなりませんでしたが、ハローワークの職員、自治体(福祉関係)の職員、社会福祉協議会の職員などが一体となって、失業者等に対して雇用を支援するためのサービスを行います。

◆今後の状況
 まずは都市部(東京都、愛知県、大阪府など)のハローワークにおいて試験的に実施され、年内は12月29日・30日も開庁するとのことです。そして、利用状況をみながら、年末年始にかけて実施都市、実施日を増やしていくことが検討されています。
 最近は完全失業率に若干の改善がみられますが、9月に厚生労働省から発表された「非正規労働者の雇い止め等の状況」によれば、2008年10月〜2009年12月までに実施済み(または実施予定)の非正規労働者の雇い止め等は、全国4,127事業所で計23万8,752人となるなど、まだまだ厳しい雇用環境が続いています。
 このワンストップサービスの実施により、昨年末に大きく報道された「年越し派遣村」の再来を防ぐことが期待されています。



税制改正で家計への影響は?

◆「扶養控除」の廃止・縮小と「給与所得控除」の上限設定
 政府税制調査会では、現政権の目玉施策である「子ども手当」や「公立高校の授業料無償化」などの家計支援の実施とバランスをとるため、所得課税の見直しによる増税を模索し始めています。
 来年度税制改正の見直し案として浮上しているのが「一般の扶養控除の廃止」、「特定扶養控除の縮小」と「給与所得控除の上限設定」です。

◆具体的には?
 来年度から支給が始まる予定の「子ども手当」(中学校卒業までの子ども1人あたり月2万6,000円[初年度は半額]の手当)との見合いで、所得金額から扶養親族1人あたり38万円を差し引く「一般の扶養控除」の廃止はすでに固まっています。
 また、16歳から22歳の高校生や大学生等の特定扶養親族がいる場合に1人あたり63万円を差し引く「特定扶養控除」は、公立高校の授業料の無償化案に連動して、縮小が検討されています。
 さらに、給与収入から一定額を差し引く「給与所得控除」に上限を設けることで、所得税の重要な機能である所得の再分配の効果を高めるとしています。

◆増税の負担が重くなる家庭も 
 これらのことを考えると、成年の扶養家族や大学生・浪人生を抱える家庭では、「子ども手当」や「公立高校の授業料無償化」の恩恵は受けられず、一般扶養控除・特定扶養控除だけが廃止・縮小となり増税は免れないことになります。
 特定扶養控除の額を仮に38万円に縮小した場合、高校生の子ども2人がいる課税所得700万円の家庭では、所得税で年間約11万5,000円の負担増に、全廃した場合には約29万円の負担増になるとされています。また、給与所得控除に上限を設ければ、高額所得者はさらに負担が増えるということになります。
 雇用や景気に不安が続く中、サラリーマン家庭の増税を急げば、これらの控除見直しに対する反発は免れないでしょう。「子どもを社会全体で育てていく」という考えは必要でしょうが、それに伴う財源の確保については慎重な検討が求められます。

今話題の「介護職員処遇改善交付金」とは?

◆支給対象は?
 厚生労働省は、「介護職員処遇改善交付金」を積極的に活用するよう求める事務連絡を、介護保険関係団体などに出しました。
この「介護職員処遇交付金」は、介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対して、平成21年10月から平成23年度末までの間、計約4,000億円を交付するものですが、平成24年度以降も介護職員の処遇改善に取り組んでいく旨の方針を示しており、引き続き取組みを進めていくとしています。
 交付金により賃金改善できる職種は、原則として指定基準上の介護職員、介護従業者、訪問介護員等として勤務している職員が対象ですが、他の職務に従事していても、介護職員として勤務していれば対象となります。ただし、訪問看護など、人員配置基準上、介護職員のいないサービスは対象外となります。

◆支給方法は?
 この交付金は、介護サービス提供に関わる介護報酬に一定の率を乗じて得た額を、毎月の介護報酬と併せて交付し、事業年度ごとに事業者が提出する実績報告に基づき、余剰金が発生した場合には、その額を返還するものです。
 また、交付金事業の年度区分は、当該年の4月から翌年の3月支払い分まで(12カ月間)とし、その交付金の額の根拠となる介護サービスは、原則として、当該年の2月から翌年1月までに提供された介護サービスとなります。
 ただし、平成21年度および平成24年度については、交付金支給の始期および終期が異なります。

◆申請手続、その他の要件
 申請手続は、交付金見込額を上回る賃金改善計画を策定し、職員に対して周知を行ったうえで都道府県に申請を行い、承認が得られれば、介護職員の賃金改善に充当するための資金が介護報酬とは別に毎月自動的に交付されます。
 なお、交付金は、原則として申請があった月のサービス提供分から対象になりますが、当初については、平成21年12月中に申請した事業者に限り、10月サービス提供分からさかのぼって交付となります。
 このほかにも、労働保険に加入していることや、交付金の対象事業者としての申請日の属する月の初日から起算して過去1年間に、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、労働者災害補償保険法、雇用保険法等の違反により罰金刑以上の刑に処せられていないことが支給要件となっています。

〜今月のことば〜

単一の説を守れば、の説の性質はい純精善良なるも、にて決して自由の気を生ずからず。自由の気風は多事争論の間に在りて存するものと知るし   (福澤諭吉)
 平たく言えば「なるだけ多くのことをなるだけ論じあったほうがよい」というのがその意だが、当たり前のようでいて、それができないできたのが今にいたる日本近代だと私は思っている。国でも組織でも、少しでも困難に対面すると「小異を捨てて大同につく」ことになりがちだし、常日ごろでも「長いものには巻かれろ」「赤信号みんなで渡ればこわくない」とばかりに、「単一の説」に流れ込む風潮が強い。「自由の気風」が高い価値を持っていない社会だからである。だが、付和雷同の「単一の説」がどれだけ国を誤らせ、人々に厄災をもたらしてきたことか・・・・・・。


筑紫哲也 著
「ニュースキャスター」より抜粋

〜事務所よりひとこと〜

 

 早いもので今年も残りわずかとなってしまいました。新型インフルエンザの流行+師走の繁忙期と体調管理が難しい中、皆様どのような対策をされていますか?
 当所ではスタッフの玄関前に流し場を設け、事務所に入る前には必ずうがい手洗いをし、業務中は全員マスク着用、事務所には空気清浄機と加湿器を常設と何重もの対策を講じております。
  なのになのに・・・大変お恥ずかしい話ですが、なんと私が新型インフルエンザに罹ってしまったのです。症状は頭痛(割れそうなほどの)、悪寒、関節痛、咳です。自宅内で隔離状態の闘病中、「あれほど用心していたのにいったいどこで感染してしまったのか?」をずっと考えていました。思い当たるのは長男(高2)がその4日程前に咳・発熱の症状があり、医者で検査しました。結果は陰性で解熱剤を服用し学校は1日欠席しただけで翌日から登校しました。熱と咳・・・同じ症状です。そこしか考えられません。結果が陰性ということで私も油断して家の中ではマスクを着けていませんでした。その後インフルエンザを発症した人で、「咳がなかなか直らない」とか、「検査キットの陽性反応が検査後30分後になってうすーく出た」という話も聞きました。
 『陰性でも発熱+咳の場合は感染したと同様に対応する』これが今回私の体験上得た教訓です。みなさまも充分気をつけてください。
 みなさまが健康で良いお年を迎えられますよう心よりお祈りしております。

(池亀)