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平成21年5月号

市場事務所便り
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社会保険労務士 市場 敬將
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施行された「改正雇用保険法」のポイント!

◆ついに改正法が成立!
 改正雇用保険法が成立し、3月31日から施行されています。成立から施行までの期間が非常に短く、しかも年度末からの施行ということで、雇用情勢の厳しい現実が伺えます。果たして失業者を救う改正となるでしょうか。
 今回の改正点を大きく分類すると、以下の7点が挙げられます。
(1)雇用保険の適用範囲の拡大
(2)雇止めとなった非正規労働者に対する基本手当の受給資格要件の緩和と所定給付日数の拡充
(3)再就職が困難な方に対する給付日数の延長
(4)再就職手当の給付率引上げおよび支給要件の緩和
(5)常用就職支度手当の給付率引上げおよび支給対象者の拡大
(6)育児休業給付の統合と給付率引上げ 措置の延長
(7)雇用保険料率の引下げ

◆改正の具体的内容
(1)短時間労働者や派遣労働者の雇用保険の適用基準について、従来は「週所定労働時間が20時間以上あり、1年以上引き続き雇用されることが見込まれること」が条件でしたが、1年以上の雇用の見込み期間が「6カ月以上」と短縮されました。
(2)特定受給資格者に該当しない方でも、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職された方(特定理由離職者)については、基本手当の受給要件が「離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上」必要なところ、「離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上」あれば要件を満たすようになりました。基本手当の給付日数も解雇等による離職者並みに手厚くなりました。
(3)解雇や労働契約が更新されなかったことによる離職者について、年齢や地域を踏まえ、特に再就職が困難な場合に給付日数が60日分延長されることになりました。
(4)再就職手当の支給要件が、従来の「所定給付日数を3分の1 以上かつ45日以上残している場合」から「所定給付日数を3分の1以上残している場合」に緩和されました。さらに、再就職手当の給付率についても、現行の30%から40%(支給残日数が3分の2 以上ある場合は50%)に引き上げられました。
(5)障害者等の就職困難者が所定給付日数を残して安定した職業に就いた場合に支給される常用就職支度手当の給付率が、従来の30%から40%に引き上げられました。
(6)これまで、「育児休業基本給付金(30%)」と「育児休業者職場復帰給付金(20%)」と分けて支給されていた育児休業に関する給付が、平成22年4月からは、統合され、休業中に「休業開始時賃金日額×支給日数×50%」が支給されることになります。
(7)失業給付に係る分の雇用保険料率が各業態とも0.4%(労使とも0.2%ずつ)引き下げられ、この結果、別途の事業主負担分0.3%を合わせた雇用保険料率は、一般の事業で1.1%(農林水産・清酒製造業1.3%、建設業1.4%)となりました。

都道府県単位に変わる健康
保険の保険料率

◆昨年10月にスタートした「協会けんぽ」
 平成18年に行われた健康保険法の改正により、平成20年10月に「全国健康保険協会」(通称:協会けんぽ)が設立され、運営がスタートしています。
 これまで、中小企業等で働いている従業員やその家族が加入している健康保険(政府管掌健康保険)は、国(社会保険庁)により運営されていましたが、新たに協会けんぽが運営することとなったものです。
 ところで、協会けんぽ設立時に「都道府県別の健康保険料の設定」となることが決まっていましたが、その詳細は明らかになっておらず、協会けんぽ設立後1年以内に(平成21年9月までに)、事業主・被保険者が参画する運営委員会や各都道府県の評議会において意見徴収のうえ設定されるとされていました。
 3月末にその取扱いが明らかになりましたので、ご紹介します。

◆「都道府県単位保険料率」設定の背景
 従来、全国一律に設定されていた保険料率では、疾病予防等の地域の取組みにより医療費が低くなったとしても、その地域の保険料率に反映されないという問題点が指摘されていました。そのため、国民健康保険や長寿医療制度(後期高齢者医療制度)と同様、都道府県単位の財政運営を基本とする改革が行われ、その一環として都道府県単位の保険料率が導入されました。
 なお、平成25年9月までは、都道府県間の料率の差を小さくして保険料率を設定することとなっており(激変緩和措置)、平成21年度は実際の保険料率と全国平均の保険料率との差が10分の1に調整されています。

◆「都道府県単位保険料率」
 都道府県ごとに定められた保険料率は以下の通りです。長野県が最も低く、北海道が最も高くなっていますが、全体的に見ると、比較的「南高北低」の傾向にあるようです。
 なお、健康保険組合の保険料率は、平均で7.41%です(2009年度予算早期集計より)。
・8.15%…長野
・8.17%…群馬・埼玉・千葉・山梨・静岡
・8.18%…岩手・山形・茨城・栃木・東京・新潟・滋賀
・8.19%…宮城・神奈川・富山・岐阜・愛知・三重・京都・愛媛
・8.20%…福島・福井・兵庫・鳥取・宮崎・沖縄
・8.21%…青森・秋田・石川・奈良・和歌山・島根・高知
・8.22%…大阪・岡山・広島・山口・長崎・鹿児島
・8.23%…香川・熊本・大分
・8.24%…徳島・福岡
・8.25%…佐賀
・8.26%…北海道

◆今後の取扱いについて
 都道府県単位の保険料率については、今年の9月分(一般の保険者については10月納付分、任意継続被保険者については9月納付分)から適用されます。

これからどうなる?「偽装請負」への対応

◆偽装請負をめぐるこれまでの動き
 偽装請負(実態は労働者派遣であるにもかかわらず請負と偽っている違法な形態)については、平成18年の夏にマスコミが取り上げたことを発端として話題となりました。大手企業が恒常的に偽装請負を行っていたとの報道には大きなインパクトがありました。
その後、厚生労働省は、社会問題化した違法派遣や偽装請負を一掃することを目的として、昨年4月に「緊急違法派遣一掃プラン」をスタートさせるなどしましたが、制定された「日雇派遣指針」の効果も上がらず、労働者派遣法改正案も国会審議が進んでいないようです。

◆新たな通達と「疑義応答集」
 厚生労働省では、今年3月末、偽装請負への指導をさらに強化していくため、全国の労働局宛てに労働者派遣と請負の区分基準を明確化する通達を出したそうです。また、同省のホームページに「『労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準』(37号告示)に関する疑義応答集」の掲載を開始しました。

◆わかりにくい派遣と請負の区分基準
 『労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準』は、昭和61年に労働者派遣制度が開始された際に厚生労働省が発表したものです。しかし、この基準をもってしても「派遣と請負を区分する基準はわかりづらい」との声が上がっていました。
そこで、具体例を用いてその区分基準を明らかにしたのが上記の「疑義応答集」です。いわゆる「労働者派遣の2009年問題」にも対応するものだと言われています。

◆「疑義応答集」の具体的内容
 全部で15のQ&Aからなる「疑義応答集」は、どのようなケースが偽装請負に該当するのか、以下の項目ごとに具体例を挙げて示していますので、非常に参考になります。ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/haken-shoukai03.pdf)でご確認ください。
(1)発注者と請負労働者との日常的な 会話
(2)発注者からの注文(クレーム対応)
(3)発注者の労働者による請負事業主への応援
(4)管理責任者の兼任
(5)発注者の労働者と請負労働者の混在
(6)中間ラインで作業する場合の取扱い
(7)作業工程の指示
(8)発注量が変動する場合の取扱い
(9)請負労働者の作業服
(10)請負業務において発注者が行う技術指導
(11)請負業務の内容が変動した場合の技術指導
(12)玄関、食堂等の使用
(13)作業場所等の使用料
(14)双務契約が必要な範囲
(15)資材等の調達費用

〜今月のことば〜

 現在アメリカでは、栄養補助食品として毎日サプリメントを摂取する人口が約6000万人いる。時々摂取する人も加えると、国民の約半分がサプリメント常用者だ。1994年にビル・クリントン大統領が生活習慣病増加に伴い「栄養補助食品健康教育法」(DSHEA法)を制定、これによってサプリメントは「食品」と「医薬品」の中間に位置づけられ、世界最大の医学研究期間であるアメリカ国立保健研究所に「栄養補助食品室」が設置された。だが政府の全面的なバックアップを受けたサプリメントが国の健康増進政策の中心になったことで、別の弊害が出始めることなる。マンハッタンにあるセント・ビンセント病院に勤務するミシェル・ロイド医師は、アメリカ人のサプリメント信仰のリスクをこんなふうに語ってくれた。
 「本来健康というものは、バランスの取れた食事、運動、睡眠の3つで維持されるものです。ですが多くのアメリカ人がサプリメントさえ飲んでいれば大丈夫と思い込んでいるんです」
 彼女のところにくる患者は、皆病気で死ぬことを怖れているという。若い女性患者は皆太ることを異常に怖れ、ストレスのたまる働き方を変えるようにアドバイスしても、生活はそのままで睡眠薬に頼ろうとする。彼らをそのような傾向に走らせる張本人は誰かと聞くと、ミシェルは「メディアです」と言った。「特定の食品を摂れば健康になれると思い込むその流行を『フード・ファディズム』と呼びます。メディアから流れてくる情報は、私たちアメリカ人を強迫観念に走らせるのです。もっと稼がなければ、もっと脂肪を落とさなければ、時間に流れに逆らって、老いに追いつかれないようにしなければ。海の向こうに敵がいると言われれば、最新式の武器を用意して、攻撃される前にこっちからやらなければ、という具合にです」
 常に不安をあおるような情報をばらまき続けられた人々は、フード・ファディズムに走り出す。シャワーのように注ぎ込まれる情報量に比例して、安心を得るためのサプリメントの瓶数は増えていくのだと、ミシェルは警告する。

堤 未果 著
『ルポ 貧困大国アメリカ』より抜粋

〜事務所よりひとこと〜

 小学2年生になった息子の宿題に最近週末になるといつもの音読、プリントに日記が加わることが多くなりました。息子は毎回書くことがない・・・と言います。本人の中で、イベントがないと書く題材がないと思っているようです。そもそも日記とは毎日の出来事や感想を書きとめるものだということを息子に説明しました。すると、「きょうは○○をしました。おかあさんにおこられました。」とか「おかあさんがてをすべらせておちゃわんがわれてしまった。」とかそんなことが書かれています。
 息子は、私が言ったように日々の出来事を書きとめているのですが、それを書かなくても・・・と思ってしまうこの頃です。息子の素直さを喜ぶべきか・・・ちょっと複雑な気分です。

(青木)